おこぼし居酒屋

 学生時代の下宿もそうであったが,私の部屋はなぜか溜まり場になる。訪れる人とは必ず酒を飲む。

 夏の暑い夜に冷たいビールを求めに来る人,冬の寒い日に暖をとりに来る人,楽しいことがあったらいっしょに大騒ぎをし,恋に破れた人は流した涙を酒で補給する。実に様々な風景があるが,私の部屋を訪れる者は例外なく少なくとも一度は床に酒をこぼす。はじめのうちは「あ!こぼれた!ティッシュ,ティッシュ!」と迅速なフォローをしてくれるが,慣れてくると「あーこぼれた。」とだけ言ってホットカーペットにしみこむのを待つだけになる。まあいい。

 そして,私の部屋はいつしか「おこぼし居酒屋」と呼ばれるようになった。

 酒は私の部屋にあるものを飲む。私はとにかく楽しい酒を飲みたいので,来た人には飲みたいだけふるまうことにしている。私も飲みたいだけ飲む。


2000/12/29

 新しい部屋で鍋をやった。大学時代の友人有志である。なぜかみんな全然変わっていない。10年ちかく経ってるのにねぇ。Fくいさんが近所に住んでいることが判明,豪邸と呼ばれるその家で次回是非集いたいものです。今回来れなかった人も次回はぜひ会いたいもんです。しかし,Fくいさんはほんま元気やわ。以下当日の様子。

Mつやまさんだ!

ビール飲みすぎ!

あ,起きた。

あ,誰か寝てるぞ。 (奥はKげやまさ

んにもらった100円冷蔵庫)

よし,みんなで記念撮影だ!

 

2000/11/7

 10/9に高砂部屋を後にした。引越のとき4〜5年間ずっと敷きっぱなしだったホットカーペットをひっくり返すとしっかりとおこぼしの歴史が刻まれていた。まるで月面のクレーターのように,丸いシミが折り重なるようについていた。よーさんこぼしとったんやなぁ。

 思えばいろんな人が遊びに来てくれたのだ。楽しかった!また戻ってこれるといいなぁと思う。

2000/8/5

 寮のビールまつりの日。ステージこなして,さんざんビールを飲んで,みんな私の部屋に来たような気がする。演奏のビデオとか見てたみたいやけど,私自身はもうべろべろでそのまま部屋のすみっこで平和に寝ていた。気づくと次の日の昼前だったが,最近聞いた話によると,みんなでビデオを見たりしている時に,私は突然起き上がり,「名刺を探す」とか言って引出しをガタガタ開けようとしていたらしい。覚えてない!わしぼけるんちゃうか。

2000/4/2

 週末に久しぶりに実家に帰ったら,飲まないからといって家に余ってる酒をたくさんもらってきた。2〜3本くれるのかと思ってたら24本もの酒瓶が玄関に並べられていた。もちろん全部もらった。またしばらく楽しい夜が過ごせそうである。ワイン16本,焼酎3本,シャンパン4本,日本酒1本である。その中でも素晴らしいのがドンペリ2本とハンガリーのトカジワイン1957年物である。ドンペリは昔ホテルでバイトしてた知り合いが飲み残しをもらってきてくれたのを飲んだのが最初で最後であり,久々にあのテイストを味わえるかと思うとわくわくする。トカジはコルクからカビが湧きまくってて,光にかざすと沈殿物がうようよしてて,こんなん飲めるんかいなと思ったが,開けてみるとなかなかいい香りがする。腹痛覚悟でちょっと飲んだが甘く芳醇な味がした。結論:飲める。来週の夙川花見大会に持っていこう。

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